夫鈴虫のやりたい放題

裏切り夫に、翻弄されています。

「いばらの道」への改札口

要は単純だ。お互いの家庭を壊してはいけない。お互いの家族を裏切り、傷つけてはいけない。それでもと言うならば、せめてもの償いに、子供たちの学費等々の面倒は負うという覚悟を決めろ。それは当然「いばらの道」だと説くだけだ。

 

しかし、鈴虫は、ちっとも響きゃしない。 そりゃそうだろよ。 罪悪感がないのだから仕方ない。自分は「愛の巡礼者」 一方私は、人の恋路を邪魔する「邪悪な魔女」と思っているのだろう。 松虫の説得を無視し、荷物をまとめ、車に積もうとしている。

玄関で鍵がないことに気付いた鈴虫。

         「鍵を出せ!」「鍵を返せよ‼」

恐ろしい形相で、松虫に迫った。 まるで別人だ。見たことがない人だ。もう松虫の知らない人だ。 28年間のあの人は、どこに行ったの⁈