物欲しげな鈴虫
多分、鈴虫の公休の土曜の昼なのだろう。鈴虫がふと、松虫に言った。
「松虫も、俺にこうしてほしいの。」
とか言って、女郎蜘蛛の行いを鈴虫はゴニョニョ説明しだした。だが、何だよくかわからない。興味はないが、今後の対策を立てるうえには、女郎蜘蛛の生態を知る必要はある。となれば仕方ない。
「じゃ、私が鈴虫。どんな感じかやって見せてよ。」
松虫は、聞いてしまった。すると鈴虫は、松虫の真横にピッタリ密着して座り、胸を松虫の左腕に密着。からの胸肉をグリグリ。そして両手で松虫の太股をモミモミしたのだ‼
【うわっ‼ キャバクラ⁉ 行ったことないけど】
驚き固まる松虫に、鈴虫は顔を赤らめて
「鈴虫はね、こういうのが好きなの。松虫にもこんなのして欲しいの。」
と体をくねらせ、物欲しげな上目使いで松虫を覗き込むのだ。
【え⁈ キャバ嬢、やれってか⁈】
【馬鹿にするな‼‼ 誰がやるか‼‼】
松虫は両足を鈴虫の太股に、ドカンと投げ出した。今思えば、鈴虫の顔面めがけ、飛び蹴りしておけばよかった。
「だって同じじゃ、つまらないでしょ。」
鈴虫は、明らかな落胆の表情をした。
おい鈴虫‼ 鳥肌立った右腕と太股。どうしてくれる‼