不倫鈴虫の被害者面計画
自己陶酔の鈴虫は、喋り終えると二階へ。
松虫は、ボイスレコーダーの確認をした。試し撮りより、音が小さい。こりゃ、だめだわ。聞き取れないよと、この後は録音をしなかった。
後に鈴虫が松虫に言ったのだ。鈴虫の不倫告白に松虫が激情して、
「鈴虫‼ 出て行けー‼」
となり、渋々追い出されてしまい、実家に身を寄せざるおえなくなったんですと、鈴虫は予定していたらしい。松虫になんも未練を見せずに、とっとと捨てると決めておきながら、あくまで自身は被害者面でいたいとは。
周囲の人々には無配慮なくせに、こと自分のことは、実によう頭が回りなさる。
当時の松虫は、大変なことになったと理解する反面、これは本当かい?と認めたくない自分もいた。松虫にしてみれば、突然の夫のW不倫問題。ゆえに、眠れない、食べられない、落ち着かない。そりゃ当然ですよ。
しかし、当の鈴虫は、高イビキ‼
うるさくって、うるさくって、寝れやしない。もう地獄だ‼
喋りまくった鈴虫は、スッキリしたのだろう。けれども松虫にはショックな話ゆえ、不安だし不眠だし。しかし、当の本人は爆音たてて安眠中。眠れなくなった松虫は、20(木)の告白から21(金)22(土)23(日)この4日間、日付変更線がわからなくなる。
薄暗いのは、これから朝焼けなのか、これから夜を迎えるのかと。
それでも、鈴虫の爆音は容赦なく続く。